腫瘍とTAMに関する研究は、国内外を問わず活発に行われており、例えば乳癌やホジキンリンパ腫においてTAMの存在が予後を悪化させることが知られている。しかし、グリオーマの増殖、進展過程におけるTAMの形成メカニズムは明らかになっていない。一方で、TAMを形成するマクロファージについても積極的に研究が行われ、腫瘍細胞がマクロファージをM2型に分極化させる機構も一部解明されつつある。しかし、脳の免疫担当細胞であるにもかかわらず、ミクログリアに焦点をあてた研究報告は少ない。 本研究の成果は、TAMを標的としたグリオーマの新規治療法を開発するための基礎的知見となり、社会的、学術的に意義のあるものである。
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