研究課題
若手研究
食道基底細胞のサブクラス発現に炎症性サイトカインが影響すると考え、IL4、IL13、TNFα、TGFβで刺激しオルガノイドを作成すると、サイトカインによって誘導される分画が変化することが分かった。さらに、TNFαおよびTGFβ刺激で幹細胞型をより強く誘導することを発見し、幹細胞の性質を有することも見出した。この結果を踏まえ、申請者らはそれぞれの細胞分画RNAシーケンスを施行、特徴的な因子を同定し各種追加検討を実施、その結果を学術論文にまとめ投稿、現在査読を受けている。
消化器癌
食道癌幹細胞が異なる性質を持つ細胞集団であることを、オルガノイドを用いて証明したものは例がなく、世界に先駆けた先進的かつ多くの研究者が関心を示す研究である。さらに、申請者が注視しているCD73は新規免疫チェックポイント阻害剤の対象分子であり、その発現が癌幹細胞と相関があることを示せれば、CD73阻害剤の抗腫瘍作用の解明に大いに貢献出来る。オートファジー阻害剤についても世界中で研究が行われているが未だ実用段階には至っておらず、本研究の成果はその開発の手助けとなる可能性がある。