分子標的薬の存在下で長期にわたり生存するがん細胞(Persister細胞)は、GPX4へ強く依存し、GPX4阻害剤によりフェロトーシスが誘導されやすいことが知られている。このGPX4依存性は、これまで標的分子の阻害により出現すると考えられてきたが、本研究によって分子の阻害とは独立して細胞密度依存的に顕在化するものであることが明らかとなった。また、統合的ストレス応答に注目した生化学的実験と網羅的なトランスクリプトーム情報解析を通じて、細胞内のカルシウム変動がGPX4依存性に関与していることを見出した。
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