超高齢化社会に突入した我が国では、健康寿命の延伸のためのフレイル予防は最重要課題と考えられる。フレイルは、骨格筋量低下、運動機能低下を特徴とするが、この病態ではインスリン抵抗性を呈することが知られており、インスリンシグナルがフレイルの病態形成に関与している可能性が示唆される。我々はインスリンシグナルの主要分子であるインスリン受容体基質(IRS)を骨格筋特異的に欠損したマウスを作製した。このマウスを用い、フレイルのモデル動物としての妥当性、骨格筋量低下・運動機能低下の分子メカニズムについて検討することは、老年医学・糖尿病学双方の観点からフレイルの基礎的知見を得ることに意義があると考えられる。
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