研究課題
これまでマウスを用いた自己免疫性消化管運動障害の疾患移送モデルの作製を行ってきた.ヒト自律神経節アセチルコリン受容体ペプチドの免疫により自律神経障害が起こることを確認し,一定の成果を得た.現在,論文投稿中である.また,我々の研究グループで既に樹立しているルシフェラーゼ免疫沈降法(LIPS法)による抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体測定法を用い,過敏性腸症候群,機能性ディスペプシアの患者において抗体陽性例が存在することが判明した.様々な学会で発表し,現在,論文としてまとめているところである.抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体のIgGサブクラス実験をLIPS法,ELISA法にて行い,一定の結果を得たため,学会で発表した.
3: やや遅れている
当初,本難治性消化管疾患研究会と連携し,またこれまでの抗gAChR抗体測定の啓発活動(各種学会発表等も含む)を通じて臨床評価票,試料(血清)を収集する予定であったが,コロナウイルス感染症の影響もあり,啓発活動ができず,未だに収集ができていない.またヒト患者血清を用いた新たな抗体測定法の樹立を目指している.抗gAChR抗体のIgGサブクラスの探索のため,ヒトCHRNA3ペプチドを用いたELISA法は確立できたが,HEK 293 F細胞にCHRNA3を発現させ細胞を用いたcell based assayの樹立までには至っていない.
学会に参加し,本難治性消化管疾患研究会に協力を仰ぎ,臨床評価票,試料(血清)を収集する.抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体については,ルシフェラーゼ免疫沈降法に代わる新たな抗体測定法を樹立し,抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体のサブクラス実験については,HEK 293 F細胞にCHRNA3を発現させ細胞を用いたcell based assayの樹立し,LIPSとELISAで得られた結果と一致するか確認する.
当初予定していた研究計画に恐れが生じたことと,研究を進めるためにさらに実験を行う必要があるため.また,現在,執筆,投稿中の論文もあり,英文校正や出版に関して費用がかかるため,これらのために使用したいと考えている.
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
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