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2023 年度 実施状況報告書

自律神経障害を介した自己免疫性消化管運動障害の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17012
研究機関富山大学

研究代表者

向野 晃弘  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (50754173)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード自己免疫性消化管運動障害 / 自律神経節アセチルコリン受容体抗体 / 動物モデル
研究実績の概要

血圧低下,消化管障害(腸閉塞)などの自律神経障害が起こることを臨床的,病理学的にも確認した.研究成果を論文としてまとめ,Frontier Neuroscience誌にアクセプトされた.さらに2024年には,自己免疫性消化管運動障害に含まれる機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群患者において,自律神経節アセチルコリン受容体抗体(抗gAChR抗体)が一因になっている可能性について学会報告し,論文としてまとめ,Journal of Personalized Medicine誌にアクセプトされた.
また,自律神経節アセチルコリン受容体抗体(抗gAChR抗体)がAGIDと同じく陽性となる自己免疫性自律神経節障害(AAG)に対して,複合免疫療法(ステロイド大量静注療法,経口プレドニゾロン内服)に漢方療法が奏効した症例を経験し,学会報告を行い,論文としてまとめ,Traditional &Kampo medicine誌にアクセプトされた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒト自律神経節アセチルコリン受容体ペプチドの免疫による自己免疫性消化管運動障害(AGID)の疾患移送モデルが完成し,研究成果を論文としてまとめることができた.さらに今年度に入り,自己免疫性消化管運動障害に含まれる機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群患者において,自律神経節アセチルコリン受容体抗体(抗gAChR抗体)が一因になっている可能性について論文としてまとめることができた.このことから本研究課題は一定の成果を得たと言える.
またヒト患者血清を用いた新たな抗体測定法の樹立を目指している.抗gAChR抗体のIgGサブクラスの探索のため,ヒトCHRNA3ペプチドを用いたELISA法は確立できたが,HEK 293 F細胞にCHRNA3を発現させ細胞を用いたcell based assayの樹立までには至っていない.

今後の研究の推進方策

学会に参加し,本難治性消化管疾患研究会に協力を仰ぎ,臨床評価票,試料(血清)を収集する.
抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体については,ルシフェラーゼ免疫沈降法に代わる新たな抗体測定法を樹立し,抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体のサブクラス実験については,HEK 293 F細胞にCHRNA3を発現させ細胞を用いたcell based assayの樹立し,LIPSとELISAで得られた結果と一致するか確認する.

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた研究計画に遅れが生じたことと,研究を進めるためにさらに実験を行う必要があるため.また,現在,執筆,投稿中の論文もあり,英文校正や出版に関して費用がかかるため,これらのために使用したいと考えている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The Presence of Ganglionic Acetylcholine Receptor Antibodies in Sera from Patients with Functional Gastrointestinal Disorders: A Preliminary Study2024

    • 著者名/発表者名
      Nakane Shunya、Mukaino Akihiro、Okumura Yoshiaki、Hirosawa Hiroaki、Higuchi Osamu、Matsuo Hidenori、Kainuma Mosaburo、Nakatsuji Yuji
    • 雑誌名

      Journal of Personalized Medicine

      巻: 14 ページ: 485~485

    • DOI

      10.3390/jpm14050485

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「伝統医学を科学する」自己抗体が引き起こす自律神経障害 自己免疫性自律神経節障害と漢方医学との接点2023

    • 著者名/発表者名
      向野晃弘
    • 学会等名
      第13回日本中医薬学学術総会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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