研究課題
若手研究
抗アセチルコリン受容体抗体陽性の全身型重症筋無力症の患者の治療前の血清から補体・補体調整因子を測定し、臨床症状との関連や治療反応性について検討した。測定した補体・補体調整因子のなかでC3、C4、Clusterinの値は重症筋無力症群と対照群で有意な差はみとめなかったが、sC5b-9とVitronectinは、重症筋無力症で高い傾向にあり予後とも関係を認めた。Properdinは重症筋無力症の重症度と強く関連していることがわかった。
重症筋無力症
MG患者では血清のsC5b9およびVitronectinが上昇しており、MGの長期的な予後や治療反応性を反映している可能性が示唆された。また血清のProperdinは低いほどMGの重症度が高い傾向にあり、MG重症度のバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。現在補体をターゲットとした新規治療薬が次々と開発されており、全身型重症筋無力症において病態と関連した補体・補体調整因子は治療のバイオマーカーとなる可能性がある。