研究課題
若手研究
パーキンソン病は原因不明の難病であるが、脳内でαーシヌクレイン蛋白が異常に凝集し蓄積することが神経障害の原因として注目されている。本研究ではマウスの髄液中のα-シヌクレイン凝集体の蓄積量の評価と細胞モデルによる治療薬の探索を行った。マウスから回収した髄液ではパーキンソン病モデルマウスでは通常型マウスよりもαーシヌクレイン凝集体量が多いことが確認できた。細胞モデルでは蛍光観察によりαーシヌクレイン凝集過程をリアルタイムに観察し、特定の薬剤がαーシヌクレイン凝集抑制効果を示すことを確認した。
パーキンソン病
本研究はパーキンソン病の診断のための髄液検査法の改良に繋がるものである。現在はパーキンソン病は臨床医による総合的な評価により診断されるが、精度は80-90%程度であり、診断可能となる時期は当然症状の発症後である。本研究でも探索したαーシヌクレイン凝集抑制はパーキンソン病の根本的治療法として有望であるが、この治療は早期に行う必要があり、髄液診断などの発症前診断が必要である。本研究の成果はこれらパーキンソン病の早期診断法・治療法の開発・改良に有用である。