透析患者の脳卒中において包括的な研究はなく、転帰と関連する因子についても十分にわかっていなかった。 透析中の脳出血は重症で死亡率も高いが、特に発症前の血圧変動が発症後の転帰に影響しており、脳梗塞症例と比較しても発症前の血圧は脳出血群で高く、適切な血圧管理が脳出血発症予防として重要であると考えられた。 脳梗塞症例においては、透析中、もしくは透析後に発症している症例が多く、透析中の水分バランスの適切な管理が脳梗塞発症予防に重要と考えられた。また、動脈硬化の原因となる慢性炎症が転帰に関連しており、慢性炎症への対処が転帰予防として重要である可能性が示唆された。
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