本研究により構築された深層学習モデルは、人為的バイアスを排除し、自己組織的に特徴量抽出が可能であり、これまで損失していた可能性がある脳画像に内在する情報の抽出が可能である。加えて、従来の精神疾患診断ラベルを使用しないにも関わらず、統合失調症の症状重症度や抗精神病薬の服用量と関連した特徴量を抽出でき、単に統合失調症に限定されず、多様な精神疾患の脳画像への応用の可能性を備えている。また、抽出された特徴量は生物学的指標の一つとしても期待され、将来的には精神疾患の病態解明や薬物反応性、予後予測などに活用される可能性が考えられる。
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