糖鎖研究の側面において、本研究の結果は卵巣原発粘液性腫瘍においてもαGlcNAcの発現が悪性度と関係していることが明らかとなり、αGlcNAcの喪失が腫瘍進展を促進することから、αGlcNAcが腫瘍抑制に働いていることが示唆された。また、病理診断において、αGlcNAcの減少が卵巣原発粘液性腫瘍の悪性度診断に補助的に使えることが示された。 また、画像診断の分野においても、卵巣原発粘液性腫瘍内の嚢胞腔の信号が悪性度と強い相関があることが判明し、腫瘍マーカー所見との組み合わせによる分類木により、卵巣原発粘液性腫瘍の悪性度診断が簡単にできるようになった。
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