食物アレルギーの発症予防や発症原因の究明は未だ途上である。本研究は先行研究において臍帯血の酪酸値とHDAC11阻害能が成人検体に比べ高値でありそれによる免疫寛容が盛んであるという仮説から着想を得た研究である。本研究は酪酸はHDAC11阻害能を確実に持ち、FOXP3の発現を更新させる可能性は示せたが、一方で食物アレルギー児で酪酸濃度が低い訳ではなく、また血清酪酸濃度のみでHDAC阻害能全てを賄うと説明するには不十分であることが判明した。酪酸の摂取によるFOXP3の発現亢進、さらにはアレルギー発症予防という単純な結果は得られなかったが、アレルギー発症予防の研究の一旦は担ったと考えられる。
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