肥満が生活習慣病の原因として問題となる中で、従来の食事療法や運動療法は適切に行えば非常に有効な肥満治療であるが、実際にこれらを継続することは難しい。そこで、内服による治療が望まれるが、現在、日本で肥満治療薬として使用できる薬剤は非常に少ない。Ang1-7が褐色脂肪細胞を活性化し抗肥満効果を発揮する機序の一部を解明できたことは、従来とは異なり、エネルギー消費を増加させることで抗肥満効果を発揮しようとする新たな肥満治療薬につながる研究成果である。また、将来肥満を原因とする様々な疾患の予防とそれによる医療費の削減をもたらすという意味でも非常に意義のある成果である。
|