幼少期のアトピー性皮膚炎(AD)は乳児期の代表的な皮膚疾患の一つであり強い掻痒感により生活の質を著しく低下させるだけでなく、その後のアレルギー疾患への引き金になることが知られています。さらに注目すべきは近年の大規模コホート研究により、ADの有無は、自閉症や注意欠陥多動性障害の合併や、将来の不安症や鬱の発症に関係するとこれまでの研究で示唆されています。 今回の乳幼児期のマウスにADを人為的に発症させたところ思春期で鬱様症状を呈しやすい状態になっているという結果は、これまで疫学的に示されてきた幼少期のADと成長してからの精神疾患合併の関連性を動物実験・分子レベルで支持する成果として注目されます。
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