本研究は、インヒビター保有軽症・中等症血友病A患者を凝血学的および分子細胞免疫学的に解析しインヒビター発生メカニズムを解明するための基礎的データを得ることを目的として実施した。当施設では研究期間開始までに7例の経験があったが、研究期間中には1例が新たに発生し解析を実施できた。本例の遺伝子変異はE272Kであったが、過去の7例にも同変異を有する症例が存在し、インヒビター発生リスクとなり得る可能性が示唆された。また自験例のひとつであるP1809Lと相同性の高いP1777L変異をマウスにKnock-inすることで軽症血友病Aモデルマウスを作製しインヒビター発生系を確立した。
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