近年、がん遺伝子パネル検査が保険適応なるなど、がん治療の個別化に向けた潮流は顕著になりつつある。基本的な戦略は各患者ごとに異なる癌固有の遺伝子変異に即した治療を行う、という方向性になるが、残念ながら現状ではそのような治療を享受することの出来る患者は1割程度と少ない。IDH変異は肝内胆管癌の約20%に存在する変異であるが、変異陽性癌に対する有効な治療法は目下確立されていない。本研究の成果により、その発癌に至るメカニズムを解明することが出来れば、IDH変異特異的に有効な治療法の開発へと繋げていくことが期待される。
|