本研究の目的は短鎖脂肪酸/GPR41のシグナル伝達による抗腫瘍効果の分子メカニズムを解明することである.肝癌培養細胞であるHepG2細胞に,各種短鎖脂肪酸を添加して,上清のLD濃度を測定した.その結果,酪酸ナトリウムで有意な上昇がみられた.また,cleaved caspase3の有意な上昇は,プロピオン酸ナトリウム,酪酸ナトリウムで確認出来た.さらに,酪酸ナトリウムの添加でp38,JNKのリン酸化の有意な上昇が確認出来た.以上の結果から,酪酸ナトリウムによるアポトーシスはMAPKinase経路を介して誘導されることが推定出来た.
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