研究課題/領域番号 |
19K17395
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
西川 雄大 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (30835773)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 短鎖脂肪酸 / プロピオン酸 / 酪酸 / アポトーシス / GPR41 / HDAC / 腸内細菌 / 肝細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌は予後不良の疾患である.抗ウイルス薬の進歩によりウイルス性肝炎は制御可能となってきているが,近年,食生活の欧米化により,非アルコール性脂肪肝炎などに起因するnonBnonC型肝細胞癌も急増しており,医学的対策が求められている.我々は,腸内細菌叢によって産生される短鎖脂肪酸とその受容体であるGPR41に注目した.ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は,エピジェネティックな制御を通して遺伝子の転写調節において重要な役割を果たす.本研究の目的は, GPR41を介したHDAC阻害作用によるcisplatinの作用増強の詳細なメカニズムの解明により,新たな肝細胞癌治療戦略への道を拓くことである.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は短鎖脂肪酸/GPR41のシグナル伝達による抗腫瘍効果の分子メカニズムを解明することである.肝癌培養細胞であるHepG2細胞に,各種短鎖脂肪酸を添加して,上清のLD濃度を測定した.その結果,酪酸ナトリウムで有意な上昇がみられた.また,cleaved caspase3の有意な上昇は,プロピオン酸ナトリウム,酪酸ナトリウムで確認出来た.さらに,酪酸ナトリウムの添加でp38,JNKのリン酸化の有意な上昇が確認出来た.以上の結果から,酪酸ナトリウムによるアポトーシスはMAPKinase経路を介して誘導されることが推定出来た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢より産生され,体内に生理的に存在する短鎖脂肪酸が,肝癌培養細胞において抗腫瘍効果を発揮し,そのアポトーシス作用はMAPKinase経路を介して誘導されることが示唆された.これより腸内細菌叢への介入が肝細胞癌に対する新規治療法の一つとなる可能性を考えた.
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