炎症性腸疾患(IBD)の症例と健常人のコントロール症例に対して、唾液および糞便検体をメタゲノム解析し、共生細菌叢の組成について、対象群とコントロール群との差異を検討した。その結果、IBD患者の口腔内細菌叢は健常人と大きく異なることが示された。一方、糞便検体との比較では、口腔と糞便で共通する細菌の同定には至らなかった。さらに、歯周病の有無で2群に分類し臨床経過の比較、細菌叢の比較を行った。興味深いことに、歯周病を有するクローン病患者においては、抗TNF-a抗体・免疫抑制剤を使用する頻度が高いことが見出された。細菌叢解析では、歯周病のありとなしでは、IBDの口腔内細菌叢には大幅な違いが観察された。
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