B型肝炎に対する核酸アナログ製剤(NA)治療は、肝細胞がん(HCC)の発症リスクを低下させるが、一部の症例はNA治療後にHCCを発症する。慢性B型肝炎のNA治療前後のmiRNA発現を網羅的に解析した結果、B型肝炎ではmiRNA発現プロファイルが大きく変化していること、NA治療はmiRNA発現の正常化を促すが、治療後に発がんした症例ではmiRNA発現異常が持続していることが明らかとなった。これらのmiRNAには、iR-199a-3p、miR-101、miR-152などHCCとの関わりが深いものが多数含まれていた。これらの結果から、miRNA異常がNA治療後の肝発がんに関わることが示唆された。
|