内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は広く普及したが、合併症の問題は今だ解決すべき重要な課題である。我々は、ESD後潰瘍の動物モデルを用いて、高接着性ゼラチン噴霧製剤の有用性を検討した。その結果、高接着性ゼラチン噴霧型被覆剤は、胃ESD後潰瘍 の粘膜下層の炎症・線維化、固有筋層の線維性肥厚を抑制したことを明らかにした。さらにミニブタを用いた十二指腸ESD潰瘍微小穿孔モデルにて噴霧製剤をESD後潰瘍に噴霧することにより、筋層および漿膜側への炎症を抑制した。本製剤は、ESD後合併症を軽減させる可能性が示唆された。
|