研究課題/領域番号 |
19K17480
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕基 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (20747373)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 膵癌 / サルコペニア / 骨格筋 / 液性因子 / 同所移植モデル / カヘキシー/カヘキシア |
研究成果の概要 |
本研究の背景は膵癌患者における骨格筋低下は予後不良因子であることに起因する。本研究では、まず、筋芽細胞とマウス膵癌細胞株との共培養実験を行った。共培養では膵癌細胞から放出される因子(X)が直接筋芽細胞に影響し、骨格筋分化を抑制することを明らかにした。次にマウス膵癌細胞の同系マウスへの移植実験を行った。ここでは移植後、膵癌により体重増加が不良となり、同時に骨格筋量も低下することを明らかにした。これらの結果から、膵癌と骨格筋という遠隔臓器の関連性を明らかにし、膵癌が骨格筋量の低下を引き起こすメカニズムを解明できた。「骨格筋量を改善させる」という宿主に着目した膵癌の新しい治療戦略への道筋を描けた。
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自由記述の分野 |
膵癌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は最も予後の悪い固形癌である。申請者は膵癌患者における骨格筋量の低下が強力な予後不良因子であることから、「膵癌」と「骨格筋」という遠隔臓器間の関連に着目した。本研究では、膵癌が骨格筋の低下を引き起こす基本的メカニズムを明らかにした。膵癌の「宿主(患者因子)」が多様化する中で、本研究は「宿主に着目した膵癌の新しい治療戦略」への基盤的エビデンスを提供する。特に、本研究で同定した因子(X)は、新規治療ターゲットとしての応用が期待できる。同時に、膵癌患者に対するリハビリテーションに対するエビデンスの確立など、多方面への研究展開が可能で、膵癌の飛躍的予後改善に向けた新たな道筋を開くことができた。
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