研究課題
本研究では先天性QT延長症候群の表現型と臨床像について、遺伝型および遺伝子変異毎に評価を行い、遺伝子変異からリスク因子の評価や適切な治療法の確立を目指している。既存の1500家系のLQTSについて、データの欠損を確認し、可能な症例については再調査を行い、データベースの補完を完了した。2021年度には新たに268名のQT延長疑いの症例が登録され、KCNQ1変異を44名、KCNH2変異を21名にそれぞれ同定している。これらについてもデータベースに組み込み、臨床情報を追加中である。変異の解析は、我々のグループが以前報告したKCNQ1変異に関する論文に沿って、今回もまずは同定された変異の局在を大まかにポア領域、C末端、それ以外の部位、とカテゴリ分けした。KCNH2変異についても基本的に上記のカテゴリ分けに即して変異を分類した。なお、KCNH2に関しては、ミスセンス変異の多くが正常アレルからの産物の膜発現に干渉してドミナントネガティブ効果を発揮する。これはカリウムチャネルが4量体を形成して膜へ発現するためであるが、これに着眼して、QT延長2型の変異分類に関しては変異部位だけでなく、ミスセンス変異とTruncation変異の二種類に大きく分けてのカテゴリ分けも追加して解析することとした。QT延長症候群3型の原因遺伝子SCN5Aについては、チャネル不活性化の障害がLate Na電流の増加につながりQT延長を来すため、チャネル不活性化関連の代表的部位であるInactivation gateの変異と、C末端の二種類のカテゴリ分けを実施した。しかし、SCN5Aの変異を保持する症例の全体数が少ないため、カテゴリ分けすることにより各カテゴリの症例の数がかなり減ってしまい、これについては現在再検討中である。
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BMC Cardiovascular Disorders
巻: 22 ページ: -
10.1186/s12872-022-02571-3
Internal Medicine
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http://www.shiga-med.ac.jp/~hqmed1/research/