肺高血圧症では、右心機能が予後を規定し得る。本研究では、肺高血圧モデル動物をもちいて、右室の形態学的変化、多細胞心室筋を用いた生理学的変化、心室筋ミトコンドリア内カルシウムとATP産生の変化を観察することにより、肺動脈圧の上昇に対する右室の反応を観察した。 モノクロタリンによる肺高血圧モデルラットは対照ラットと比較し、右室駆出率、右室長軸ストレインが低下し、右室収縮期圧が高く右室肥大が進行していた。 多細胞心室筋においては、肺高血圧モデルラットは発生張力、dF/dtが低下した一方、SERCA・RyRなどの収縮関連タンパク、また、ミトコンドリアカルシウムユニポーターの発現も増加していた。
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