腹部大動脈瘤は、動脈硬化と危険因子が共通するが、大動脈瘤形成および瘤破裂を抑制する治療法は確立していない。動脈硬化進展に血管平滑筋細胞のDNA傷害およびDNA傷害応答が関与することが報告された(Circ Res 2015;116:816-826)。しかし腹部大動脈瘤の進展に細胞のDNA傷害およびDNA傷害応答の関係は不明である。本研究は、腹部大動脈瘤の形成と進展におけるDNA傷害およびDNA傷害応答の役割を解明することで新たな治療標的になるかを検討する。また、抗癌剤として発展してきた抗DNA傷害応答薬 (ATM阻害剤)をドラッグリポジショニングとして腹部大動脈瘤の治療に応用できるか検討を行う。
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