主にメガリンを自己抗原とする抗刷子縁抗体病は近年新たに報告された自己免疫性腎疾患で、比較的急速に腎機能が低下し末期腎不全に至る可能性が示唆されているが、有病率や病態については不明な点が多い。今回、抗刷子縁抗体病についての実態調査(診断)を行うための方法として、患者血清を用いた全長型メガリンに対するウエスタンブロットで半定量的に抗メガリン抗体を同定する測定系を確立し、臨床的に抗刷子縁抗体病が疑われる患者について自己抗体の有無を検討した。また、抗メガリン自己抗体の定量化を行うELISA構築の準備として、新たにヒトメガリン発現ベクターをHEK293細胞へ導入し、ヒトメガリン安定発現細胞株を樹立した。
|