慢性腎臓病の主たる合併症である二次性副甲状腺機能亢進症の病態形成に副甲状腺のCa感知受容体の発現低下が関与していることは知られているが、同じく重要な合併症である腎性貧血は腎におけるエリスロポエチンの産生低下が主因であると考えられ、Ca感知受容体の関与は調べられてこなかった。本研究では、動物実験において、貧血に対するCa感知受容体の関与を明瞭に示すことはできなかったが、細胞実験においては、Ca感知受容体が、骨髄細胞の赤血球系への分化誘導に大きく関与することが示せており、病態の一因であることが示唆され、引き続きの研究で治療法開発につながる可能性が高いと考える。
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