慢性腎臓病の進行に伴うリン恒常性破綻に起因する、血中でのリン酸カルシウムを含むコロイド粒子(CPP)の上昇は、心血管イベントリスクの増大の一因と考えられているが、CPPによる疾患発症機序は未解明である。 血中リン濃度が高いCKD患者やリン代謝疾患モデルマウスの血漿から単離されるCPPにFactor Xが含まれるという知見は、このFactor X含有CPPが高リン血症に起因して発症する病態と関連している可能性を強く示唆する。 そこで、リン代謝疾患モデルであるKlothoマウスのFactor Xa活性を阻害すると、Klothoマウスに認められる血管石灰化や炎症が顕著に抑制された。
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