致死的な動脈血栓を引き起こす血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)において、最近抗体薬であるカプラシズマブが新規治療薬剤として米国・EUで承認された。この新薬はTTPにおける急性期の血栓死亡率を大幅に改善させることができる反面、抗体薬であることから非常に効果であり、ロット間の有効性のバラツキなどの欠点が存在する。今回検討したか新規VWF A1ドメインアプタマーはカプラシズマブと同等の抗血栓効果を発揮するとともに、化学合成が容易であり、品質の均一性が担保できる、アレルギーなどの免疫学的反応を回避できるなどのメリットを有している。臨床応用されれば、TTP患者の治療が低コストで安全になりうる。
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