研究課題
若手研究
ESBL産生菌と呼ばれる薬剤耐性菌の蔓延により、尿路感染症の主要な原因菌に対する主要な治療薬である第3世代セファロスポリンの効果が見込めなくなっている。しかし、これら耐性菌感染症の迅速診断法が存在しない。本研究では、臨床現場で簡便に安価で実施可能かつ高精度な尿中ESBL産生菌の迅速遺伝子検査法を開発した。実際の尿272検体を用いた検討で感度96%、特異度100%と高精度であることが証明された。
臨床検査医学
本検査法の臨床での使用により、迅速・高精度・簡便・安価に検査室や臨床現場において、1時間以内に薬剤耐性菌感染症の有無の判定が可能となる。これにより、尿路感染症の治療において、薬剤耐性菌に対する早期の適切な治療と感受性菌であった場合双方において適切な抗菌薬選択が可能となり、患者の疾患治療成績の向上および、抗菌薬適正使用を通じた薬剤耐性菌の抑制に貢献できる見込みである。