MRSAによる血流感染症は時に難治性感染症となるが、その病態には、MRSAが作りだすbiofilm(BF)が影響していると考えられている。血漿を添加した培地を用いてMRSAを培養すると、通常の培地の場合と比べ、BFは厚みを増し、起伏に富んだ構造(plasma-BF)を呈する。本研究ではMRSAが形成するplasma-BFの構造・機能解析を行い、保有する接着因子・病原因子との相関を比較検討した。SCCmec typeIIと比べ、typeIVの方がplasma-BF形成能が高く、arcA、cna、もしくはfnbBを保有している株がよりplasma-BF形成能が高かった。
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