インフルエンザワクチンはワクチン株と市中流行株の抗原性が一致せず、効果的な免疫を誘導できない場合が多い。特にA/香港型(H3N2亜型)インフルエンザウイルスは抗原変異頻度が高い性質を持つウイルスであり、2009年の新型インフルエンザウイルスによるパンデミック後に再流行したことを鑑みると、新型コロナウイルスパンデミック後の、インフルエンザに対する集団的な免疫力低下が懸念される状況下で再び大流行することも考えられる。これを阻止し、人々の健康被害拡大や経済的損失を防ぐためには、ワクチン効果の向上が極めて重要な課題であり、本研究成果はその課題解決に寄与する情報基盤として大きな意義を持つ。
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