これまでUCP1非依存性熱産生に関する報告はあるが、その詳細なメカニズムは不明な点が多かった。本研究によって、PKM2やMATIIがそれぞれ異なるメカニズムを介してUCP1非依存性熱産生に関わっていることを突き止められた。ベージュ脂肪細胞の誘導や活性化については慢性的なβアドレナリン刺激やPPARγアゴニスト投与など報告があるが、いずれも心血管系の副作用が大きく、肥満や耐糖能異常への治療応用が困難を極めている。また、ヒトの熱産生脂肪細胞の多くはベージュ脂肪細胞の特徴をもつことが示されており、本研究の成果が肥満や耐糖能異常の治療応用のターゲットとなりうると考えられる。
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