研究課題
若手研究
本研究結果は、食事成因の違いによって、脂肪肝の虚血再灌流傷害(肝IRI)に違いが生じることを示唆した。フルクトース食によってもたらせられた脂肪肝は、脂肪食によってもたらせられたものとくらべ、より高度な肝IRIを示した。また、各脂肪肝によって障害前からE-cadherinの発現に違いが認められ、発現が低い脂肪肝ほど、再灌流後の発現も低くなり、肝障害度も強く認められた。この結果はE-cadherinのIRIにおける細胞保護効果を示唆するものと考えられた。
肝虚血再灌流傷害
一見同じ脂肪肝でも、食事成因によって肝IRIに対する脆弱性に違いがあり、臨床においては、それを考慮して術前評価を行う必要があることを示した。E-cadherinは肝IRIにおいて、細胞保護効果を担う可能性が示唆され、今後これをターゲットしたIRI治療法の確立や、術前肝障害度予測診断の進歩に期待が持てる。