新生児医療の発展にも関わらず早産児における消化管穿孔は細菌性腹膜炎を合併し致死的になることが知られている。抗菌薬投与などの内科的集中治療管理に加えて、標準的な治療として開腹手術が行われるが、早産児における開腹手術の侵襲の影響は明らかにされていなかった。本研究では早産児腹膜炎モデルマウスを使用することで早産児における開腹手術の死亡率に関わる影響が大きいことを動物モデルで初めて確認した。一方で、早産児に特有の免疫抑制状態が死亡率上昇に関与することも明らかになった。早産児特有の抑制された免疫を賦活化させることで早産児腹膜炎の死亡率の改善に寄与する新規治療法に繋がる可能性があることを明らかにした。
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