本研究は移植後早期グラフト浸潤細胞(GIL)がアロ攻撃性を有する時期を明らかにすることを目的とした。BALB/cからC57BL/6のマウス心移植では、レシピエント由来の細胞障害性サイトカイン産生CD8陽性GILが移植後5日(5POD)で有意に増加した。このGILを免疫不全のBRGマウスに構築し、ドナー系統心グラフトを移植すると、速やかに拒絶反応が生じ、5POD-GILのアロ攻撃性が明らかになった。一方、3POD-GILの移入は拒絶反応を起こさなかった。また3POD心グラフトのBRGマウスへ再移植は拒絶反応はみられなかった。これはアロ攻撃性細胞が3-5PODの間に浸潤する可能性を示している。
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