腫瘍細胞が宿主免疫を回避する経路として注目されているPD-1/PD-L1経路について神経芽腫における臨床的意義の検討を行った。生検あるいは切除が行われた神経芽腫患者31例を対象とした。さらに化学療法後に切除が行われた15例に対し、化学療法前後のPD-L1発現と予後との関連を検討した。31例中11例(35%)でPD-L1発現が陽性で、陽性例では生存率が低くなる傾向が認められた。化学療法前で8例、化学療法後で6例にPD-L1陽性が認められ、ともに陽性を示した4例では全例に再発が認められた。以上より、PD-L1発現は特に再発をきたすような進行神経芽腫患者において治療標的となりうる可能性が示唆された。
|