臓器移植は免疫抑制剤の開発により標準医療として確立されたものの、生涯免疫抑制剤を内服するリスクをもつ。免疫寛容の誘導は、免疫抑制薬の問題をすべて解決できる戦略となる。トレランス維持の機構として、骨髄由来免疫抑制細胞の役割が癌免疫の分野を中心に明らかになってきている。 骨髄細胞にGMCSFとIL-6のサイトカイン添加によりin vitroでMDSCを誘導し、その中でも単球系MDSCが特にT細胞の増殖活性を抑制し、FOXP3陽性の制御性T細胞を分化増殖させることを確認した。さらにこの単球系MDSC養子細胞治療により、マウス・アロ心移植モデルにおいてグラフトが長期生着する効果を発揮することが判明した。
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