研究課題
若手研究
神経芽腫細胞に脱分化脂肪細胞(DFAT)由来のエクソソームを加えて培養することで腫瘍細胞の増殖抑制効果を得ることはできなかったが、腫瘍細胞の分化を誘導することができた。これは以前から示されているDFATそのものの分化誘導効果と矛盾しない。DFATは細胞治療として用いるには解決しなければならない問題があるが、DFAT由来のエクソソームを分化誘導療法に用いることの可能性を確認できたことで、今後予後不良な高リスクの神経芽腫の新規治療法につながる可能性を見出した。
小児外科
本研究では、ヒトDFATから放出されたエクソソームが神経芽腫の分化誘導効果を持つことが示された。神経芽腫は小児悪性固形腫瘍の中で脳腫瘍を除き、最も高頻度に認められ、高リスク群の神経芽腫は未だ予後不良である。今後、既存の神経芽腫に対する分化誘導療法である、13-cis RA(レチノイン酸)による分化誘導療法に、ヒトDFAT由来エクソソームを併用することで、分化誘導効果を向上させることが期待される。