われわれは、「粘液バリアを突破して内粘液層あるいは組織表面に定着した特定の細菌こそが発癌や癌進展に寄与する」との仮説を立て、それらの特定の細菌を同定するための組織採取法を検討しました。本研究により、以下3つの結果が得られました。1.外粘液層は生理食塩水による圧洗浄により容易に除去できました。2.洗浄前の粘液に比して、洗浄後の正常部粘膜および癌部組織で有意に減少する細菌種を複数認めました。3.正常部・癌部ともに、洗浄前の粘液に比して洗浄後の組織においてα多様性を示すシャノン多様性指数が低下していました。
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