食道扁平上皮癌におけるTP53遺伝子変異率は9割以上といわれ、化学療法の耐性に関与する。p53ミスセンス変異株において、PRIMA-1METはいずれの抗癌剤との組み合わせでも相加効果以上の抗腫瘍効果を示し、特に5-FUとの併用で相乗効果を示した。この併用療法でApoptosisが強く誘導され、p53およびp73、NOXAの発現増強を認めた。p53ミスセンス変異株(TE8)を用いた皮下腫瘍モデルマウスやヒト由来の細胞を使用したPDXモデルマウスでも、5-FU+ PRIMA-1MET併用群では各単剤投与よりも明らかに抗腫瘍効果が強く、治療後の腫瘍組織でp73・NOXA発現の増強を認めた。
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