本研究は細胞内小胞輸送に関連する分子である、クラスリンアダプター分子の膵癌における機能解析を目的として行われた。 本研究ではクラスリンアダプター分子の1つであるAP-1に注目し、膵癌切除症例について免疫染色で発現強度と予後の関連について解析を行った。その結果AP-1の高発現群では5年生存率が不良であった。膵癌細胞株に対してAP-1のサブユニットであるAP1G1(γ-adaptin)のノックダウンを行ったところ、Western blottingで上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)の発現低下を認めた。本研究の結果からAP-1はEGFRの発現を介して、膵癌の増殖に関与していることが示唆された。
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