ラットの肝動脈を阻血し、それに伴う肝細胞における遺伝子発現の変化を検討した。これまでに肝血流について門脈と肝動脈を合わせて同時に阻血する研究は多数存在するが、肝動脈のみの阻血に着目した研究はない。今回RNA microarrayによる網羅的遺伝子解析を行った。その結果、動脈クランプにより発現する遺伝子群の中でGTP代謝経路の遺伝子については変動が大きく、虚血再灌流障害に関与している可能性が高いことが示唆された。。GTP代謝経路は一酸化窒素合成酵素NOSの生成、ひいては虚血再灌流障害の成因となりうるとされており、我々の実験系は妥当でありさらなる解析が望まれる。
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