高解像度CTの普及により発見されるようになった小型肺癌は、触知が困難で視認も難しく、必要最小限の範囲で肺切除術を行うためには術前肺マーキングが必要である。今回、簡便な手技でより安全な肺マーキング法の確立を目指し、体表から肺臓側胸膜下に自家蛍光物質であるビタミンB2水溶液を注入し、ブラックライトを励起光として可視化する新たな肺マーキング法を考案した。豚モデルを用いた動物実験で本法が既存の針マーキング法の代替法となり得るか評価した。本法は、手技が比較的簡便であり、マーキング部は120分以上継続して視認でき、範囲もほぼ同じ部位に保たれた。既存の針マーキング法の代替法として、ヒトへの応用を期待できる。
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