研究成果の概要 |
小細胞癌とLCNECに対して、免疫染色ベースの分子分類(ASCL1, NEUROD1, POU2F3, YAP1)を行い、臨床病理学的要素との相関を調べた。POU2F3陽性小細胞癌とPOU2F3陽性LCNECでは細胞組織学的特徴が近寄るという結果が得られ、POU2F3陽性癌は、TTF-1, 神経内分泌マーカーが有意に低く、bcl-2, c-kitの発現が有意に高いことがわかった。さらにPOU2F3陽性癌は、POU2F3陰性癌と比べて、有意に予後良好であった。POU2F3陽性癌には、臨床病理学的な独立性があり、この特殊なタイプを同定することは、最適な個別化治療を考慮する上で、重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
①分子分類(ASCL1, NEUROD1, POU2F3, YAP1)は、元来、小細胞癌において提唱された分類方法であったが、LCNECでも当てはめることができることが示唆されたほか、小細胞癌とともにLCNECと同時に検討したことで、POU2F3の独自性を見いだすことができた。②分子分類と形態の相関を見出したシリーズでの研究報告としては世界初であると考えられる。
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