研究課題/領域番号 |
19K18227
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
藤原 敦史 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00748642)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 代償性肺成長 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は術後代償性肺成長に関与しているのか」という問いを、術後肺機能予測および治療の側面から明らかにすることである。bFGFと代償性肺成長の関連が明らかになることで、術後肺機能・合併症リスクが正確に予測できると同時に、代償性肺成長を促し術後肺機能が改善することで低肺機能のため標準手術を断念していた患者の手術適応を拡大されることに寄与できると考えている。 上記を明らかにするため、研究計画においては、「bFGFの代償性肺成長予測因子としての有用性の検討」「術後bFGF投与による代償性肺成長促進効果の検討」を3年間で行うこととしている。 当該年度(2020年度)においては、「bFGFの代償性肺成長予測因子としての有用性を検討する」ことを研究の主目的としていた。昨年度に引き続き「ラット代償性肺成長モデルの作成」(全身麻酔・右開胸下・人工呼吸管理下に右後葉および副葉の摘出を行い2週間経過観察し残存肺の代償性肺成長を促す。摘出された右前葉および中葉の肺重量を求める)を継続した。当方の研究協力機関において予定していたCTによる代償性肺成長の確認を行う計画が新型コロナウイルス の影響で困難であったため、現在別の指標「肺重量とラット 体重の比」など設定し再解析を行なっている状況である。並行して「ラット肺成長モデルを用いたFGF発現と代償性肺成長の関連についての検討」を行うため、ラットの気管支洗浄液中のb FGF発現を検討している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で他県との往来が制限された都合もあり、作成した代償性肺成長モデルにおけるCTを用いた肺体積計算が困難な状況であった。このため代償性肺成長をはかる指標を別途設定し、その解析を行うべく代償性肺成長モデルの作成を中心に実験を行わざるを得ない状況であった。手技としては安定して行えており、代償性肺成長の指標設定の後計画の遅れを挽回することが可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度前半において「bFGFの代償性肺成長予測因子としての有用性の検討」の解析を行い、次いで「術後bFGF投与による代償性肺成長促進効果の検討」を、年度前半から後半にかけて進めていくことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画がわずかに遅れており、購入予定であった物品を引き続き来年度に購入する予定である。
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