研究課題
若手研究
蛍光法では酸素吸入時と酸素非吸入時の胸腔内酸素濃度の差がなくなった状態と肉眼的な肺瘻消失と一致しており、胸腔ドレーンが抜去できる状態であることが確認できた。より簡便な方法とし胸水中酸素濃度を測定し、肉眼的な肺瘻消失と比較した。連日、胸水中酸素濃度を測定し94±22Torrとなった時点で肺瘻消失が確認されており、胸腔ドレーンを抜去できていた。様々な制限があるものの、この値が胸腔ドレーンを抜去できる目安になると考えられる。
呼吸器外科
肺瘻の有無は胸腔ドレーンからの気泡の消失をもって停止と判断されるが、これには豊富な経験が必要である。そこで、簡便かつ客観的な指標として胸腔内の酸素濃度の推移を計測した。本研究では、酸素吸入時と停止後の胸腔内酸素濃度の差がなくなった時点が肺瘻停止であることを確認し、さらに胸水を用いた研究では酸素濃度が100Torr前後まで低下した時点で胸腔ドレーンを抜去できており再挿入症例はなかった。このことから、胸水中に含まれる酸素濃度が肺瘻停止を判断する客観的な指標になりうると考えられた。