全身麻酔後の認知機能障害の予防策ないし治療法を開発することは、非常に重要な意義を持つと考えられる。記憶・学習を司る海馬に多く存在することが知られているGABAA受容体α5サブユニットに対する選択的阻害薬の投与により、海馬の神経細胞の興奮性を増強することで、記憶・学習の効率を高めることができるのではないかと期待されている。 本研究では、マウスの全身麻酔術後疼痛モデルに対してGABAA受容体α5サブユニット選択的阻害薬を投与し、記憶・学習機能に対する効果を調べた。また、術後疼痛に与える影響を行動学実験及び脊髄スライスを用いたパッチクランプによる電気生理学実験で検証した。
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