研究課題
若手研究
全身麻酔の合併症の1つに術後神経・認知機能障害(POCD)があるが、原因として炎症性サイトカインによる脳内炎症が考えられている。本研究では人体最大の内分泌器官である骨格筋が分泌するマイオカインに注目し、マイオカイン分泌量および骨格筋量とPOCDの1つである術後せん妄の関連について検討した。65歳以上の全身麻酔を受ける患者を対象とし術後せん妄あり群となし群に振り分け、術後14日間においてマイオカイン分泌量および骨格筋量を両群間で比較した。いずれも有意な相関を認めなかった。
anesthesia
POCDは高齢者で起きやすく、高齢化が進む現代では原因解明と予防が重要な課題となっている。本研究ではPOCDの原因とされる脳内炎症を引き起こすサイトカインとして、これまでに報告のないマイオカインに注目した。新たなアプローチを検討することでPOCD研究における今後の可能性を広げることができた。