研究課題
若手研究
THP-1をPMA刺激し①マクロファージへ分化させ、②このマクロファージを用いてM1分化させた。③M1分化時にプロポフォールを添加し培養した。①~③の各細胞のGABAa受容体サブタイプのmRNA発現をRT-PCR法で解析した。①マクロファージ分化、②M1分化、③M1分化時のプロポフォールによるGABAa受容体サブタイプへの効果・影響を遺伝子発現変化で検討した。①ではGABAa受容体サブタイプのα1、α4、β1、β2、γ1、γ2のmRNAが有意に増加した。②ではα1、α4、β1、β2、γ2のmRNA発現は有意に抑制された。③ではα1、α4、β2のmRNA発現が増加傾向であった。
麻酔科学
THP-1においてマクロファージ分化、M1分化によってGABAa受容体のサブタイプの遺伝子発現は有意に増減した。特に、炎症抑制効果に関与しているα1,α4の発現増加はプロポフォールの持つ炎症性サイトカイン抑制効果に繋がる可能性が示唆された。静脈麻酔薬の抗炎症効果の作用機序の一つとしてGABAa受容体のサブタイプが関わっていることを明らかにしたことで過剰炎症に対する治療につながる可能性がある。